シンポジウム詳細

幹線交通の将来展望~航空・鉄道・高速バスの競争と協調~

  • 講師

    家田仁

    東京大学大学院工学系研究科 教授

    黒野匡彦

    一般財団法人運輸政策研究機構 会長

    後藤靖子

    国土交通省国土交通政策研究所 所長

    坂本裕寿

    読売新聞グループ本社社長室 幹事

    山内弘隆

    一橋大学大学院商学研究科 教授

  • 開催日時
    2013年11月20日 13:30 - 17:00
  • 開催場所
    日本大学経済学部 7号館 2階講堂
  • 開催場所連絡先
    00-00-00
  • 最寄り駅
    JR・都営地下鉄「水道橋」駅
「2020年東京オリンピック」招致成功は日本中を駆け巡った。この「世紀の祭典」は、
中長期的に見て日本社会の転換期になるかもしれない。交通さらに、航空輸送に目を
転じると、オリンピックまでに大きな構造変化が訪れる可能性が高く、既に首都圏空港の
重要性が強調され、さらなる容量拡大を求める声があがっている。この機会をどう捉えるか、
我が国航空業界の重要性の浮沈を握るポイントとも考えられる。
 一方、国内輸送では交通モード間の競合が激化している。2011年に開業した
九州新幹線は、高速鉄道の競争力の強さを実証した。2015年開業予定の北陸新幹線や、
将来の東北新幹線の北海道延伸は今後、航空との競争においてマーケットを浸食し、
その影響範囲は計り知れない。さらに、リニア中央新幹線も現実味を帯びており、
大阪延伸も徐々にわれわれの視界に入りつつある。道路交通では、今世紀初頭の規制緩和で
登場した高速バスが、安全性の問題から若干の後退はあるものの、多様化する幹線交通需要の
1つの有力な選択肢として生き残ることは確実であろう。
 このような幹線交通の構造変化は、航空輸送の将来の不安定要素でもある。航空輸送は
どのような戦略を持つべきなのか。答えは簡単ではない。しかし、高速輸送手段としての
航空輸送の社会的重要性は疑うべくもなく、国民経済のインフラとしての役割を全うする
ことがその使命である。航空の場合、国内輸送と国際輸送の一体的輸送を提供できる。
グローバル化した現代においては、幹線交通は一国内問題ではなく、国際輸送との関連が
重要なのである。さらに、航空輸送のイノベーションはLCCであり、LCCの動向が
基幹的交通の将来を左右する可能性もある。
 近未来の幹線交通体系をどのように考えるか。本シンポジウムでは、航空輸送、空港運営と
いう「航空業界」の視点だけでなく、成熟期を迎えた日本の経済社会における交通のあり方に
ついて我が国の幹線交通の将来展望をより広い視点から多角的に論じることとする。

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