月例研究会詳細

インフラ整備ファイナンスにおける信用格付けの重要性

  • 講師

    黒沢義孝

    日本大学経済学部 教授

  • 開催日時
    2011年11月21日 09:00
  • 開催場所
    経団連会館 2階 ホール北
  • 開催場所連絡先
    03-6741-0222
  • 最寄り駅
    東京メトロ千代田線他「大手町駅」
「信用格付け」の観点から成長著しいアジアにおけるインフラ整備ファイナンス
(交通インフラを含む)の新しいしくみについてご講演いただきます。
アジア開発銀行研究所(ADBI)の推計によればアジア地域のエネルギー・運輸・
通信・水・衛生関連のインフラ需要は2020年までに8.3兆ドル、年間7500億ドルが
必要とされています。一方、アジア諸国も今後、高齢化が一層進展し公的資金だけ
ではこのインフラ需要に答えることができません。そこでアジアの域内クロスボーダー
取引を可能にする債券市場を育成し、PFIやPPPなど民間資金を活用するインフラ
ファイナンスの手法が期待されています。その場合、アジア諸国の国の格付けと
インフラプロジェクトの信用格付けが必要になります。信用格付けはデフォルト確率を
記号化したものです。金融危機では批判を浴びたものの、格付けに代わる指標がない
というのが実情です。アジアには日本を含めて既に39の格付会社が存在しています。
 昨年、アジアのインフラ整備を促進するための保証機関(CGIF)が創設されました。
アジアでは空港や道路をはじめ,上下水道や発電所まで多様なインフラの整備が必要なの
ですが,それをヨーロッパ型の市場金融ではなく,いくつかの国の政府や政府機関の
国際的な信用補完によって支えようというものです。信用補完があることによって低金利
で資金を調達できるというメリットがあります。また,基本的にプロジェクトのみの収入
によって債務を返済するプロジェクト・ファイナンス案件も増えてきております。
 信用格付けの仕組みについて、日本・アメリカ・ギリシャなどの国債の格下げの背景
をご紹介いただきながら、アジアのソブリン格付けの状況を踏まえた民間インフラ
ファイナンスの新しい展開についてお話しいただく予定です。

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